一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
 さすがはベリが丘。そう言ったハイテク化も進んでいるのだろう。

「注文何にする?」
「うーーん、成哉さんは?」
「日替わり定食かな。愛海は?」
「私も同じやつで」

 お手伝いさんも同じ日替わり定食を注文する事となった。まことはおかゆを注文し、米粒をスプーンでつぶして与える事になる。

「はい、お待たせしました」

 日替わり定食はデミグラスソースかかった大きなハンバーグと付け合わせのポテトサラダにキャベツとニンジンの温野菜サラダが同じ白い大きなお皿に乗っている。そして白いお茶碗に乗ったご飯とオニオンスープだ。

「美味しそう……!」

 思わず口からよだれが出そうなほど、美味しそうに見えてしまう。

「おかゆも出来ましたよ」
「ありがとうございます」
「奥さま、私が食べさせますのでごゆっくりどうぞ」
「えっいいんですか?」
「ぜひぜひ。ゆっくり食べてください」

 お手伝いさんのご厚意に甘えてまことへの食事は彼女に任せる事になった。私は割り箸を割って早速大きなハンバーグの左側の端っこを縦に割る。

「わあ、肉汁がすごい……」

 割った箇所からは中からは肉汁がこれでもかと言うほどあふれ出したのを見てさらに食欲が増したような気がした。

「いただきます……!」

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