一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜

「それで、成哉さんを好きになったのが中学校の時です。成哉さんには勉強を教えてもらったりしてました」
「おおっなるほど。それで告白は？」

　松崎さんからの質問に対してはしなかった。と答える。彼女は不思議そうにしていたが彼はモテモテだったし当時のカーストトップ1軍女子に目を付けられたくなかったからと正直に答えると、田中さんとともにわかるーー！　と何度も首を縦に振っていた。

「あいつらマジうざいですよね、田中さんわかります？」
「うんうんわかるわかる！」
「ほんとそうなんですよーー！　お局も怖いですけどああいうの腹立ちますよね！！」

　ここでもカーストトップ1軍女子が嫌われているとは思わなかった。

「それで高校からは違う学校に行って、それで私がベリが丘の街に引っ越してきてこの病院で働き始めて、それで再会したんです。それでその……」
「何かあったんです？」
「ワンナイトで妊娠しちゃって」

　田中さんと松崎さんの目が飛び出るくらいに見開かれた。しかも2人そろってフリーズしている。最初に口を開くのはどっちだろうと固唾を飲んで見ていると2人同時に口を開けた。

「ええーーっっ！！！」

　そして私と成哉をきょろきょろと見渡す。彼女達が動揺しているのはどこからどう見ても明らかだった。