彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
マンションに到着し、インターホンを押したが返事はない。鍵を使ってオートロックドアを抜け、部屋の玄関扉をゆっくりと開けた。
中は真っ暗だが、通路の明かりで美音の靴を確認できた。
「美音?いるのか?」
声をかけながら奥へ進むと、最初にリビングの中央に置かれたグランドピアノが目に入った。
そして、ピアノの側に置かれたソファーに視線を移すと、身を縮めるように眠る美音の姿があった。
そっと近づき、顔を覗く。
アメリカに発つ前に見たあの日と同じように、頬には涙が伝った跡があった。
俺はスマホを手に取り永峰さんに電話をかけた。
「美音ちゃんは見つかったかい?」
「はい、実家のマンションで眠っています」
「そうか、よかった」
「永峰さん、電話口で大変恐縮ですが、ご夫婦で婚姻の証人になっていただけないでしょうか?」
「俺たちでいいのかい?」
「もちろんです」
「喜んで受けさせてもらうよ」
「ありがとうございます。後日改めてご挨拶に伺います」
「俺は明日でも構わないがね」
「お気持ち、大変ありがたいです。美音と話して連絡させてもらいます」
「俊佑くん、美音ちゃんを頼んだよ」
「はい。では失礼します」
通話を終え、俺は美音の頬に触れた。
「君がいなくなって、生きた心地がしなかったよ、美音」
中は真っ暗だが、通路の明かりで美音の靴を確認できた。
「美音?いるのか?」
声をかけながら奥へ進むと、最初にリビングの中央に置かれたグランドピアノが目に入った。
そして、ピアノの側に置かれたソファーに視線を移すと、身を縮めるように眠る美音の姿があった。
そっと近づき、顔を覗く。
アメリカに発つ前に見たあの日と同じように、頬には涙が伝った跡があった。
俺はスマホを手に取り永峰さんに電話をかけた。
「美音ちゃんは見つかったかい?」
「はい、実家のマンションで眠っています」
「そうか、よかった」
「永峰さん、電話口で大変恐縮ですが、ご夫婦で婚姻の証人になっていただけないでしょうか?」
「俺たちでいいのかい?」
「もちろんです」
「喜んで受けさせてもらうよ」
「ありがとうございます。後日改めてご挨拶に伺います」
「俺は明日でも構わないがね」
「お気持ち、大変ありがたいです。美音と話して連絡させてもらいます」
「俊佑くん、美音ちゃんを頼んだよ」
「はい。では失礼します」
通話を終え、俺は美音の頬に触れた。
「君がいなくなって、生きた心地がしなかったよ、美音」