彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
彼に彩られた愛しい日々は、日を重ねるごとに色濃くなっていく。
"幸せ" という言葉だけでは物足りない。
このかけがえのない日常は、私のことを大切に想ってくれる人たちによって守られている。

俊佑さんはもちろん、昭二おじさんや沙織さん。真壁さんに至っては、

『桃園さんの幸せを邪魔する輩がいたら、容赦なくぶった斬ります!』

と宣言した通り、私から俊哉を遠ざけてくれた。
と言うのも、私が俊哉を避けるように会社を飛び出した日、俊哉が真壁さんに近寄り、私のことについて根掘り葉掘り聞いてきたそうだ。そんな俊哉に疑念を抱き、心配になった真壁さんはこっそり私のあとをつけていた。もちろん、私が嫌がり、逃げ出すところも目撃している。
前担当者の姫川さんに報告し、担当を変えてくれと直談判したらしい。

後に姫川さんが真壁さんに交際を申し込んだと聞いた時は驚いたが、それよりも何よりも、真壁さんが幸せそうに笑ってくれていることがとても嬉しかった。

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