彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
「うちのソフトはユニバースシステムのものを使ってるの」

梨香さんの言葉に私は耳を疑った。

「ユニバース、システム……ですか……」

段々血の気が引いていく。

「美音ちゃん?」

「えっ、いえ……」

忘れたいのにこんなところで繋がってしまうなんて神様は意地悪だ。
ユニバースシステムは俊哉の就職先だった。余程のことがない限り、新入社員として働いているはず。
たとえ働いていたとしても、この会社の担当にならない限り会うことはないと思うが、やはり気は重い。

邪念を祓うように軽く首を振った。

「顔色悪いけど大丈夫?」

「すみません、大丈夫です」

「ホントに?」

「はい」

全然大丈夫ではないが、無理やり大丈夫だと言い聞かせた。
けれど、嫌な予感は拭い去ることができなかった。

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