彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
私は物音のする浴室の方へ戻り、そっと脱衣所のドアを開けた。
浴室のドアの向こうに人影が見える。
流しっぱなしのシャワーに紛れ、女の喘ぎ声が浴室の狭い空間に響き渡っていた。
「お前はここが弱いよな」
男の声に女の喘ぎ声はいやらしさを増す。
「ねぇ、ホントにあの人来ないの?」
「あぁ、あいつはバイトだって言ってたから心配しなくていいよ。っつーか、もういいかなぁ。まぁ、飯も美味いし、掃除もやってくれるし、無償で家政婦雇ってるって感じで全然オッケーだったんだけど、なんか重たくなってきた。セックスも全然だし、多分不感症だな。満足できない」
「彼女さん、可哀想。同情しちゃう」
「可哀想なのは俺の方だっつーの」
「じゃあ、可哀想な俊哉くんに、うんと気持ちイイご褒美あげるわ」
「うぉぉぉぉっ、すっげぇ、やばっ!」
「どう?気持ちいでしょ」
「やっば、最高。俺もう無理」
女の声は奇声に変わり、肌と肌が水を弾きながらリズム良くぶつかり合う生々しい音と、「俊哉」「カズハ」お互いを呼び合う乱れた声が耳の奥に焼きついた。
目の前で繰り広げられる行為に唖然として一歩も動けなかったが、なんとか足を動かし脱衣所を出ると、マンションからも飛び出した。
ふらふらと歩き続け、気が付けば、いつのまにか自宅近くの港にいた。
なんか疲れたな……
自力で立っていられず近くにあった防護柵に寄りかかる。自分ではコントロール出来ないほど、いろんな感情が押し寄せ、とうとう涙腺は崩壊した。
浴室のドアの向こうに人影が見える。
流しっぱなしのシャワーに紛れ、女の喘ぎ声が浴室の狭い空間に響き渡っていた。
「お前はここが弱いよな」
男の声に女の喘ぎ声はいやらしさを増す。
「ねぇ、ホントにあの人来ないの?」
「あぁ、あいつはバイトだって言ってたから心配しなくていいよ。っつーか、もういいかなぁ。まぁ、飯も美味いし、掃除もやってくれるし、無償で家政婦雇ってるって感じで全然オッケーだったんだけど、なんか重たくなってきた。セックスも全然だし、多分不感症だな。満足できない」
「彼女さん、可哀想。同情しちゃう」
「可哀想なのは俺の方だっつーの」
「じゃあ、可哀想な俊哉くんに、うんと気持ちイイご褒美あげるわ」
「うぉぉぉぉっ、すっげぇ、やばっ!」
「どう?気持ちいでしょ」
「やっば、最高。俺もう無理」
女の声は奇声に変わり、肌と肌が水を弾きながらリズム良くぶつかり合う生々しい音と、「俊哉」「カズハ」お互いを呼び合う乱れた声が耳の奥に焼きついた。
目の前で繰り広げられる行為に唖然として一歩も動けなかったが、なんとか足を動かし脱衣所を出ると、マンションからも飛び出した。
ふらふらと歩き続け、気が付けば、いつのまにか自宅近くの港にいた。
なんか疲れたな……
自力で立っていられず近くにあった防護柵に寄りかかる。自分ではコントロール出来ないほど、いろんな感情が押し寄せ、とうとう涙腺は崩壊した。