彼に抱かれ愛を弾く 〜ベリが丘恋物語〜
「ねぇ、俊佑」

「ん?」

「そこであなたにミッションよ。矢吹さんに美音ちゃんとの婚約を許してもらいなさい」

「はぁ⁉︎ 何故そうなる!俺はまだ彼女にとって何者でもないんだぞ!」

「何者? 恋人に決まっているでしょう。自信がないの?」

「自信とかそういう問題じゃないだろう」

「そういう問題でしょう。私が出来ることはやったわ。あとは俊佑、あなたが美音ちゃんの心を掴むだけ。大好きな美音ちゃんを誰かに取られてもいいの?私は取られて欲しくないわ。私の妹は美音ちゃん以外考えられないもの」

全く自分勝手な思考だ。
だが、俺自身が動かなければ何も始まらない。
動かざるを得ない状況まで追い込む策士。
恐るべし高椿沙織。

< 82 / 151 >

この作品をシェア

pagetop