青い空の下、大好きな君の優しい笑顔が見たいから
「なあ、春野。看護師さんに聞いたんだ。春野は、リハビリすれば歩けるようになるって。だったらさ、頑張るべきなんじゃないか?」


その言葉に、春野はうつむいていた顔をサッと上げた。


「どうして? 私は、桜のせいでこうなったんだよ。歩けないのは桜のせいなのに、私をこんな目にあわせた桜だけが幸せになるなんてズルいよ。リハビリしたら治るとか、どうして私ばっかり頑張らなきゃいけないの?」


「桜のせいって……いったい何があったんだ?」


「桜が私を押した。そのせいで階段から落ちてこんな体になったの! だから、桜も私と同じように苦しむべきなの。それに……私がこのまま歩けなくても、きっと誰も悲しまない」


「そんなこと言うな! 誰も悲しまないなんて、そんなわけないだろ。お前、一生歩けないまま生きていくつもりか?」


「湊君にはわからない! 私の気持ちなんて絶対わからないよ!」
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