青い空の下、大好きな君の優しい笑顔が見たいから
***


「こんにちは、桜ちゃん。夢ちゃんがお待ちかねよ」


「いつも夢がお世話になっています。ありがとうございます」


病院の廊下ですれ違った看護師さんに挨拶する。


私は――
春野 桜(はるの さくら)、18歳。
肩までのブラウンのミディアムボブは、小学校の時からほとんど変わらない。身長は153cmで、地味で小柄な平凡女子だ。


夢は、そんな私の妹。
二重の切れ長の目が印象的な美人で、黒髪のショートカットが良く似合う。


顔は似てないけど、私達は双子の姉妹。


夢は……
もう3ヶ月くらい、この総合病院に入院してる。足を怪我して、それからずっと歩くことができないままで。


病室の前、私は一瞬、ドアをノックするのをためらった。呼吸を整え、気持ちを落ち着ける。


そして、ゆっくりと中に入った。


「夢……今日はちょっと遅くなっちゃった。ごめんね。体調はどう?」
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