青い空の下、大好きな君の優しい笑顔が見たいから
「……」


「あっ、ねぇ、今日は雑誌持ってきたよ。お母さんが渡してくれって」


「……」


「……ここ、置くね」


「……」


いつもと同じやり取り。
そこに、夢の笑顔は……無かった。


そして、私も……
無理やり笑顔を作っていた。


「今日、お昼ご飯なんだった? ここの病院のご飯は美味しいって評判だよね」


「……じゃあ、桜が入院してよ」


「えっ、あ、あの……」


「こんなとこ、退屈だし、息が詰まる」


私に対して文句がある時だけ、夢は口を開く。
声が聞けて嬉しいけど、何を言ってあげればいいのか……


「ごめんね。じゃあ、また明日……今日は帰るね」


「……」


20分くらいの滞在。
それでも私には2時間くらいに思えた。
夢は、決して「もう来なくていい」って言わない。
「もう、来ない」、そう言える自信もなくて、私はただ毎日、病院に足を運んでは心をえぐられるような気持ちになった。
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