─animaTane─ドレミ
キャサリンは力強くそう言うと母と父は頷き、「今日からおじいちゃんか」と父は嬉しそうにして、母は「ミルクの準備をすぐにしないとね」と微笑む。
そんな両親を見て、キャサリンは「ありがとう」と言い、ミカエルを見た。
「この子の名前は決めたのかい?」
母は聞いてきたけど、キャサリンは手紙のことを隠して答える。
「ミカエル。あの大天使ミカエルのようにって」
「それはいい」と両親は喜んだ。
手紙の事実は両親にではなく、成長して大きくなったミカエルに打ち明けようと思った。父に抱かれるミカエルを見て母は「抱きかたが雑過ぎる」と父を叱り、ミカエルを取り上げた。二人ともミカエルの取り合いだ。
そんな両親を見ているとキャサリンは深く安堵して、顔が綻び、幸せが胸を包んだ。
その時、ミカエルは笑った。かわいい笑い声。
キャサリンも父と母も微笑み、ミカエルのいく末に絶え間ない幸福を願った。
すると、民家の外から風の音ねが聞こえた。それは暖かな春の到来を知らせた。
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魔女狩りが横行しているこの時代。人々は魔女に恐れ、悪魔に恐れた。
不思議な負の力があると信じられ、疑わしい者は異端審問にかけられ、絶え間ない拷問のすえに偽りの魔女として処刑された。
絶え間なく処刑されていくが人々は空想の魔女に恐れていた。そのため、魔女ではないか、と疑われた者は委員会という組織に告発され、異端審問にかけられるという流れになっていた。