嘘つきな彼 ~八年付き合った彼から『距離を置きたい』と言われました。これってフラれた?それとも冷却期間でしょうか?
1 一人暮らしと彼の嘘
金曜日の夜。私は一人、スマホをつつき、明日の土曜日の上映予定を検索していた。
本当だったら、彼氏の修が今晩泊りに来て、明日は二人で映画を観て、買い物に行く予定だったのに…。
急な出張が入ったらしく、明日の予定がすっぽり開いてしまった。
久しぶりに会えると思ったのにな。
最近の修は仕事が忙しいらしい。
付き合ってからの8年間、そのほとんどの休日を一緒に過ごしていた。
修はほぼ毎週のように泊りにやってきていたし、会えない週末にはメッセージを送り合っていた。
それなのに今年に入って修と会う回数がグンっと減ってしまっている。
仕事だから仕方ないって分かっているけど、修が隣にいなくて寂しいと愚痴りたくなる。
♪♪~。
スマホの着信音が鳴った。
画面には修の実家の電話番号が表示された。
え?修?
出張は泊りになるって言ってたのに、どうしたのだろう?
あ!! もしかして、出張なくなったとか?
それなら嬉しいッ!
慌てて通話ボタンを押す。
「もしもし!修?」
自分でも予想以上に浮かれた声が出てしまった。少し恥ずかしいや。
「あ!そこに修、います!?」
女性の大声が聞こえた。
浮かれた私とは反対の、修ではない、焦った女の人の声。
「え?誰?」
つい反射的に誰と聞いてしまった。
「突然ごめんなさい。修の母です。そこに修、いる!?」
「え!お母さん!?」
確かに実家だから、修の母親でも不自然ではない……?
動揺しながらも、ふと、母親の焦った様子が気になった。
息子の彼女のスマホに連絡してくるなんて、ただ事じゃない。
「あ、修、修さんはいませんけど、どうなさったんですか?」
「お父さんが!お父さんが階段から落ちて!呼んでも動かなくて。どうしたらいいか」
「ええ!?」
それ、大変すぎっ!!
「どうしたらいいのか分からなくて!修に電話しても出ないから!あなたの所だと思って!」
物凄い早口で捲し立てるお母さん。
「お母さん、落ち着いてください。えっと救急車。救急車、呼びましたか?」
「あ!!まだ!!」
「電話しながらでいいですから、スマホから救急車呼びましょう」
「あ、うん、そうね、電話。えっと、何番?あ、117!」
「119です! 1・1・9!」
スマホの向こうで電話を掛けている様子がうかがえる。
お母さん、かなり狼狽えている。病院一緒に行った方がいいかもしれない。
そう思った私は、着替えて出かける用意をした。
本当だったら、彼氏の修が今晩泊りに来て、明日は二人で映画を観て、買い物に行く予定だったのに…。
急な出張が入ったらしく、明日の予定がすっぽり開いてしまった。
久しぶりに会えると思ったのにな。
最近の修は仕事が忙しいらしい。
付き合ってからの8年間、そのほとんどの休日を一緒に過ごしていた。
修はほぼ毎週のように泊りにやってきていたし、会えない週末にはメッセージを送り合っていた。
それなのに今年に入って修と会う回数がグンっと減ってしまっている。
仕事だから仕方ないって分かっているけど、修が隣にいなくて寂しいと愚痴りたくなる。
♪♪~。
スマホの着信音が鳴った。
画面には修の実家の電話番号が表示された。
え?修?
出張は泊りになるって言ってたのに、どうしたのだろう?
あ!! もしかして、出張なくなったとか?
それなら嬉しいッ!
慌てて通話ボタンを押す。
「もしもし!修?」
自分でも予想以上に浮かれた声が出てしまった。少し恥ずかしいや。
「あ!そこに修、います!?」
女性の大声が聞こえた。
浮かれた私とは反対の、修ではない、焦った女の人の声。
「え?誰?」
つい反射的に誰と聞いてしまった。
「突然ごめんなさい。修の母です。そこに修、いる!?」
「え!お母さん!?」
確かに実家だから、修の母親でも不自然ではない……?
動揺しながらも、ふと、母親の焦った様子が気になった。
息子の彼女のスマホに連絡してくるなんて、ただ事じゃない。
「あ、修、修さんはいませんけど、どうなさったんですか?」
「お父さんが!お父さんが階段から落ちて!呼んでも動かなくて。どうしたらいいか」
「ええ!?」
それ、大変すぎっ!!
「どうしたらいいのか分からなくて!修に電話しても出ないから!あなたの所だと思って!」
物凄い早口で捲し立てるお母さん。
「お母さん、落ち着いてください。えっと救急車。救急車、呼びましたか?」
「あ!!まだ!!」
「電話しながらでいいですから、スマホから救急車呼びましょう」
「あ、うん、そうね、電話。えっと、何番?あ、117!」
「119です! 1・1・9!」
スマホの向こうで電話を掛けている様子がうかがえる。
お母さん、かなり狼狽えている。病院一緒に行った方がいいかもしれない。
そう思った私は、着替えて出かける用意をした。