星が歌ってくれるなら ~ハープ奏者は愛をつまびく~
インターホンのモニターを見ることもなく、詩季はダイニングから続く玄関を開けた。
「絃斗さん! やっと見つけた!」
男がずかずかと入って来た。
「マネージャー、なんでここに……」
「私が連絡したの。謝礼をくれるっていうから」
絃斗は目を丸くして詩季を見た。
「嘘でしょ、そんなの嘘です!」
男に腕を掴まれ、絃斗は言う。
「お邪魔します」
遠慮がちな女性の声がした。
振り返ると、美しい女性がそこにいた。長い黒髪が彼女の白い肌を縁取り、大きな目が詩季を見たあと、絃斗を見る。
「絃斗、ここにいたのね!」
「真理華さん!?」
絃斗はまた驚きで目を丸くした。
「霧谷さん、そこにハープありますから」
マネージャーと呼ばれた男が真理華に声をかける。
「失礼しますね」
彼女は詩季に声をかけて入室し、ハープを重そうに持った。華奢な彼女には似つかわしくない大きさだった。
きっと彼女が初恋の人だ。根拠もなく詩季は確信した。初恋で、現在の恋人だ。でなければマネージャーと一緒に来るわけがない。
「さ、行きますよ」
男は絃斗の腕を引っ張る。
「腕はやめて!」
絃斗が叫ぶ。
「じゃあちゃんと歩いてください」
「詩季さん!」
絃斗が助けを求めるように叫ぶ。
詩季はまっすぐに絃斗を見た。
「絃斗さん! やっと見つけた!」
男がずかずかと入って来た。
「マネージャー、なんでここに……」
「私が連絡したの。謝礼をくれるっていうから」
絃斗は目を丸くして詩季を見た。
「嘘でしょ、そんなの嘘です!」
男に腕を掴まれ、絃斗は言う。
「お邪魔します」
遠慮がちな女性の声がした。
振り返ると、美しい女性がそこにいた。長い黒髪が彼女の白い肌を縁取り、大きな目が詩季を見たあと、絃斗を見る。
「絃斗、ここにいたのね!」
「真理華さん!?」
絃斗はまた驚きで目を丸くした。
「霧谷さん、そこにハープありますから」
マネージャーと呼ばれた男が真理華に声をかける。
「失礼しますね」
彼女は詩季に声をかけて入室し、ハープを重そうに持った。華奢な彼女には似つかわしくない大きさだった。
きっと彼女が初恋の人だ。根拠もなく詩季は確信した。初恋で、現在の恋人だ。でなければマネージャーと一緒に来るわけがない。
「さ、行きますよ」
男は絃斗の腕を引っ張る。
「腕はやめて!」
絃斗が叫ぶ。
「じゃあちゃんと歩いてください」
「詩季さん!」
絃斗が助けを求めるように叫ぶ。
詩季はまっすぐに絃斗を見た。