星が歌ってくれるなら ~ハープ奏者は愛をつまびく~
「二日目に泊めてもらったあの日、詩季さんが隣の部屋で寝てるって思ったら眠れませんでした。もっとずっと一緒にいたいって思いました」
詩季は胸の奥がジンとした。
彼もまた同じ気持ちでいてくれたのだ。
「また僕に朝食を作ってくれますか?」
にこやかに言われて、詩季は顔を赤くしてうつむく。
「すごいこと言ってる自覚ある?」
大人の関係になりたいとも、結婚の申し込みとも言える言葉だ。
「え、あ、そんなつもりは!」
彼もまた顔を赤くした。
「だけど、そんなつもりがゼロってわけでもなくて……あの、なんていうか」
彼は恥ずかしそうにもじもじして、詩季の手をぎゅっと握った。
詩季はくすっと笑いをもらした。
いい年した大人が二人して、なにを照れているんだろう。
「笑わないでください。僕だって勇気が必要だったんですよ。すごくどきどきしてるんですから」
「あんな大舞台をこなせるのに?」
「それとこれとは違います」
詩季はまたくすっと笑った。
「作るわ、何度でも。あなたのために」
「じゃあ僕は晩ごはんにハンバーグを作ります」
「たまねぎは私が切るわ」
「子供あつかいして。ちゃんと自分で切るから」
絃斗は口をとがらせた。
「手を切らないでよ?」
「あなたが見張ってくれるでしょう?」
「いいわよ。コーヒーはあなたが淹れてね」
絃斗はうれしそうににこっと笑った。
詩季は胸の奥がジンとした。
彼もまた同じ気持ちでいてくれたのだ。
「また僕に朝食を作ってくれますか?」
にこやかに言われて、詩季は顔を赤くしてうつむく。
「すごいこと言ってる自覚ある?」
大人の関係になりたいとも、結婚の申し込みとも言える言葉だ。
「え、あ、そんなつもりは!」
彼もまた顔を赤くした。
「だけど、そんなつもりがゼロってわけでもなくて……あの、なんていうか」
彼は恥ずかしそうにもじもじして、詩季の手をぎゅっと握った。
詩季はくすっと笑いをもらした。
いい年した大人が二人して、なにを照れているんだろう。
「笑わないでください。僕だって勇気が必要だったんですよ。すごくどきどきしてるんですから」
「あんな大舞台をこなせるのに?」
「それとこれとは違います」
詩季はまたくすっと笑った。
「作るわ、何度でも。あなたのために」
「じゃあ僕は晩ごはんにハンバーグを作ります」
「たまねぎは私が切るわ」
「子供あつかいして。ちゃんと自分で切るから」
絃斗は口をとがらせた。
「手を切らないでよ?」
「あなたが見張ってくれるでしょう?」
「いいわよ。コーヒーはあなたが淹れてね」
絃斗はうれしそうににこっと笑った。