『好き』って言って
ーコンコン
「ゆなちゃんはいるよ」
ーガラガラ
ゆな「なんですか?」
「さっきは、ごめんね?ちょっと話したくてさ」
ゆな「今1人になりたいんですが。」
「そうだよね、、、でも少しだけ聞きたいことがあって。」
そう言うとあからさまに嫌な顔をした。
「ゆなちゃん、いつから胸の痛みとかあったかな?」
ゆな「半年前くらい。でもすぐ治まるから」
「そっか。何すると痛くなる?」
ゆな「何もしなくても痛くなります」
「わかった。ありがとう。じゃあ最後に拡張型心筋症の説明と今後の治療説明をするね」
ゆな「別にしなくてもいいです。」
「え?」
ゆな「分かってるんで。どうせ私も死ぬんでしょ?」
「そんな事ないよ。ちゃんと治療をすれば」
ゆな「死ぬのに治療が必要ですか?」
ゆなちゃんは声を荒げた。
「ゆなちゃん、落ち着いて?なんでそんな事思うの?」
ゆな「…」
「ゆなちゃん、教えて?」
ゆな「…だって、お父さんがそうだったから」
「え?」
ゆな「お父さんが、拡張型心筋症で死んだの。もういいでしょ?出ていってよ!!!!!」
「辛かったね。教えてくれてありがとう。また来るね。」
ゆなちゃんは、窓に視線を移した。
泣くのを我慢して居る様だった。。。
俺は静かに部屋を出て、医局へと戻った。