『好き』って言って

ーゆなー

もうどうでもいいや


私は病院を出てふらふら行く宛もなく歩き出した。


どのくらい経っただろう。
今頃病院では大騒ぎになってるかな。


「はあ、、、」


大きなため息がでた。

そして辺りを見回すと、全然知らない場所へ来て居ることに気がついた。


「ここ、どこ?」


少し不安になりながらも再び歩き出した。
そしてケータイを開くとものすごい着信履歴とメールが来ていた。


「はあ、、、」


また深いため息をつきケータイをしまおうとすると彼方から着信が来た。

私は悩んだ挙げ句出ることにした。


「…もしもし」

かなた「おい!今どこにいんだよ!!」

「どこだっていいでしょ」


私は冷たくかえした。


かなた「よくねーから聞いてんだろ!」

「ほっといて」

かなた「位置情報送れ」

「やだ」

かなた「はあ、、、いい加減にしろ。」

「どうせ死ぬんだから、私は病院じゃなくてもっと綺麗な所で死にたい」

かなた「は?何言ってんのお前」

「そのままの意味だけど。」

かなた「…」

「じゃあ、切るね。ばいばい。」

かなた「おい!まて!俺だけに教えろ」

「そんな事言ったってみんなに言うでしょ?」

かなた「言わねーよ。だから俺だけに教えろ。」

「…」

かなた「ゆな。」


なによ。さっきまで怒ってたくせに、そんな優しい声で言われたら、逆らえないじゃん、、、


「…わかった」

かなた「ん。じゃあ、待ってるからな。」


そう言ってかなたは電話を切った。



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