どうか、決してほかの誰もこの可愛さに気づきませんように…
「そっか、そんなことできるんだ。ユカリ、賢いな!」
「それと、たまには放課後に待ち合わせとか。高校生っぽくてよくない?」
「いいな、それ……」
高校の制服を着たユカリが、俺に手を振る……
俺はユカリを抱き上げ、クルクル回る……
おおっと、いかん! このままだと、うっかり目の前のユカリを抱き上げてしまいそうだ。
妄想の続きは家に帰ってからだな。
「で、でも、ユカリは高校でもバレー部に入るつもりじゃなかったか?」
「入るよ。だから『たまには』って言ったの」
「そうしたら、また髪は短くすんの?」
「うん。今は防寒としていいけど、春になったら切る、切る」
よっしゃー! これはさっそく賽銭の効果か?
「あっ、でも高校は“ポニテ禁止”っていう謎ルールがなくなるだろうから、このまま伸ばそうかな?」
なぬ? ぽ、ぽ、ぽ、ぽ、ポニテ!?
「トモキはどう思う?」
「俺っ!?」