どうか、決してほかの誰もこの可愛さに気づきませんように…

問題は、ユカリは友達が多く、誰がユカリの友達なんだか判別できないことだ。


結果として、女子全員にいい顔をしている。それだけに過ぎない。


脱力しまくってやる気のなくなっていた俺は、そのとき『年上』とだけ答えたのだった。


3年生なのにそう答えておけば、後々面倒がなくていい。


そんな打算も働いての回答だった。


それに俺より2カ月とはいえ、年上は年上だ。ウソは吐いていない。


ユカリはあのときのことを覚えていたんだな。


少し意外な気がした。


「高校は違っても、私とはこれからもよろしくね」

「当ったり前だろ」


おれの中学の思い出はユカリだらけ。


なんなら小学校時代や幼稚園時代だって。


いや、俺の人生、ユカリしかいないんだ。


これから先だって……

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