オレンジ服のヒーローの一途な愛
握っていないほうの大きな手が、私の頭に乗る。
「ちょっとしたドジくらいで済めばまだいいけど、本当に命に関わることだってあるんだからな。気をつけるんだぞ」
「うん」
やわらかく窘める表情は、やっぱり兄のようであり、父親のようでもある。
大事に思ってくれているのは伝わってくるけど、複雑な気持ちだ。
「体調はもう平気か?」
「うん」
「どこか別のところに行こうか」
「でも、翔ちゃん映画観たかったのに」
「そのうち地上波で放送するだろうから、別にいいよ」
なんてこともないように翔ちゃんは笑ったけど、迷惑をかけて申し訳ない。
チケット代だって無駄になってしまうのに。
私の気持ちを察したようで、翔ちゃんは軽く首を傾げて微笑む。
「映画より、あおいの体調が優先だ」
ああ、どうしてまた動悸を悪化させるようなセリフをさらっとぶち込んでくるんだろう。
恨めしいくらいだ。
「ちょっとしたドジくらいで済めばまだいいけど、本当に命に関わることだってあるんだからな。気をつけるんだぞ」
「うん」
やわらかく窘める表情は、やっぱり兄のようであり、父親のようでもある。
大事に思ってくれているのは伝わってくるけど、複雑な気持ちだ。
「体調はもう平気か?」
「うん」
「どこか別のところに行こうか」
「でも、翔ちゃん映画観たかったのに」
「そのうち地上波で放送するだろうから、別にいいよ」
なんてこともないように翔ちゃんは笑ったけど、迷惑をかけて申し訳ない。
チケット代だって無駄になってしまうのに。
私の気持ちを察したようで、翔ちゃんは軽く首を傾げて微笑む。
「映画より、あおいの体調が優先だ」
ああ、どうしてまた動悸を悪化させるようなセリフをさらっとぶち込んでくるんだろう。
恨めしいくらいだ。