オレンジ服のヒーローの一途な愛
「俺が大樹の面倒見るから、先に寝ていいよ」
「え、いいの?翔ちゃんも明日仕事でしょ?」
「俺は今日休みで夕方寝てたから大丈夫。あおいは仕事だったから疲れてるだろ。けっこう飲んだから酔いも回ってるだろうし」
翔ちゃんは週休の日でも普段ほとんどお酒を飲まず、今日もずっとノンアルコールのビールを飲んでいた。
不規則な仕事だから眠る時間も人とずれるし、そもそもあまり寝なくても平気なのだと言っていた。
「うん、じゃあお願い。ありがとう」
翔ちゃんの言葉に甘えて自室へと入った。
ドアの向こうからは兄がまだひとりオンステージを繰り広げているのが聞こえる。
今回の失恋はそうとうショックだったんだろう。
無理もない。結婚を視野に入れているようなことを私に仄めかしていたこともあったくらいだし。
兄もそうだけど、翔ちゃんだってもう28歳なんだから、結婚してもおかしくない年齢だ。
もしかしたら、突然結婚報告されることになるかもしれない。
「そうなっちゃったら、ツラいなあ……」
ため息をつきながら、夏掛けを頭からかぶって目を閉じた。
「え、いいの?翔ちゃんも明日仕事でしょ?」
「俺は今日休みで夕方寝てたから大丈夫。あおいは仕事だったから疲れてるだろ。けっこう飲んだから酔いも回ってるだろうし」
翔ちゃんは週休の日でも普段ほとんどお酒を飲まず、今日もずっとノンアルコールのビールを飲んでいた。
不規則な仕事だから眠る時間も人とずれるし、そもそもあまり寝なくても平気なのだと言っていた。
「うん、じゃあお願い。ありがとう」
翔ちゃんの言葉に甘えて自室へと入った。
ドアの向こうからは兄がまだひとりオンステージを繰り広げているのが聞こえる。
今回の失恋はそうとうショックだったんだろう。
無理もない。結婚を視野に入れているようなことを私に仄めかしていたこともあったくらいだし。
兄もそうだけど、翔ちゃんだってもう28歳なんだから、結婚してもおかしくない年齢だ。
もしかしたら、突然結婚報告されることになるかもしれない。
「そうなっちゃったら、ツラいなあ……」
ため息をつきながら、夏掛けを頭からかぶって目を閉じた。