恋神様に願いを込めて
レンくんは、最後まで優しく微笑んで「ばいばい」と言った。


想いを返してあげることはできなかったけど、レンくんと出会えて本当によかった。


心からそう思った。





家に帰ると、あの日と同じように晃が家の前に座り込んで待っていた。



「晃…?」


「…あ、俺、あの…」



晃は口をもごもごと動かして黙ってしまった。


…きっと、謝りに来てくれたんだろうな。


私を心配して言ってくれたのにムキになって怒って、ひどいことまで言って、悪いのは完全に私の方なのに。



「晃、ごめんね」


「え?あ、いや、俺こそ…」


「大嫌いなんて言って、ごめんね…っ」



泣くのは違うとわかっているのに、次々と涙が溢れて止まらなかった。



「え、いや、いいよもうそんなの…。泣くなよ…」


「本当は…っ、大好き…っ」


「もうわかったから…え?」
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