恋神様に願いを込めて
「え?でもまだ時間…」
「一緒にいてまた誤解されたら先輩に悪いので、私はこれで…」
教室に戻ろうとすると、先輩に腕を掴まれた。
「また?…もしかして、誰かに何か言われたの?」
「あ…えっと、でも大したことないので…」
「何か言われただけ?何もされてない?もしまた何か言われたりされたら俺に言って。ちゃんと俺が守るから」
先輩は優しい。そんなの出会った時からわかっている。
…でも、その優しさが私の胸をえぐるんだ。
「…優しくしないでください」
「え?」
「誰にでもやってるくせに、私のこと好きじゃないくせに、簡単に優しくしないでください…!」
先輩の手を振り解いて走って中庭から逃げ去る。
胸がずきずきと痛かった。
優しくされることがこんなにも苦しいことだなんて、思わなかった。
*
中庭に行かなくなってから、四日が経った。先輩ともあの日以来会ってもいないし話してもいない。
きっともう、話すことなんてないんだろうな…。
「一緒にいてまた誤解されたら先輩に悪いので、私はこれで…」
教室に戻ろうとすると、先輩に腕を掴まれた。
「また?…もしかして、誰かに何か言われたの?」
「あ…えっと、でも大したことないので…」
「何か言われただけ?何もされてない?もしまた何か言われたりされたら俺に言って。ちゃんと俺が守るから」
先輩は優しい。そんなの出会った時からわかっている。
…でも、その優しさが私の胸をえぐるんだ。
「…優しくしないでください」
「え?」
「誰にでもやってるくせに、私のこと好きじゃないくせに、簡単に優しくしないでください…!」
先輩の手を振り解いて走って中庭から逃げ去る。
胸がずきずきと痛かった。
優しくされることがこんなにも苦しいことだなんて、思わなかった。
*
中庭に行かなくなってから、四日が経った。先輩ともあの日以来会ってもいないし話してもいない。
きっともう、話すことなんてないんだろうな…。