恋神様に願いを込めて
「あ、あの、先生からプリント届けるように頼まれただけで、別に心配とかそういうのじゃなく…って、え?大丈夫なのあんた?」



出てきたスウェット姿の五十嵐は、ぜえはあと息を切らせながら今にも倒れそうだった。


頬は真っ赤だし、額には汗もかいている。



「えー結芽花ちゃんお見舞い来てくれたのー?うわあ、まじか…。すげぇ嬉しい…」


「わっ!ちょ…!」



五十嵐がもたれかかるようにして倒れてきて、支えるのに必死だった。



「ちょっとこんなとこで寝ないでよ!部屋はどこなの!?」


「んー…?部屋ー?二階だけど…なあに、俺の部屋行きたいのー?やっらしいー」


「こんな時にふざけないでよ!ちょっと、手伝うから二階まで歩いて…」



ふらふらの五十嵐を支えながらなんとか二階まで上がり、奥の五十嵐の部屋っぽいベッドに寝かせる。



「死ぬかと思った…」



がっしりしているわけではないけど、サッカー部なだけあってそれなりに筋肉がついているためなかなかに重かった。


五十嵐はベッドに寝転がるとすうすう寝息を立てて寝てしまった。


よっぽど辛いみたいだけど、一人なのかな…?



もう一度一階に下りて、リビングにお邪魔するがやっぱり五十嵐は一人で住んでいるみたいだった。


生活雑貨が必要最低限しかないし、食器もコップも五十嵐の分しかない。
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