恋神様に願いを込めて
少しでも長く、佐野くんとの思い出が詰まったこの場所にいたかった。
「桜」
「え?」
「冬休みが終わって春になったら、この木いっぱいに咲く桜を一緒に見たいですよね」
佐野くんが桜の木をそっと撫でながら言った。
「…そうね。見たいわ」
また、嘘をついてしまった。
…ううん、これは願望。春になってもこの世にいて、佐野くんと一緒に桜を見たい。
生きたい…。
「先輩」
呼ばれて隣を向くと、佐野くんが真剣な表情で私を真っ直ぐ見ていた。
「先輩のことが好きです。強いところとか一生懸命なところとか、全部好きです。僕と、付き合ってもらえませんか?」
「え…私…?」
「はい。僕はずっと、先輩が好きでした」
「…私、は…」
*
誰もいなくなった桜の木の下で、一人膝に顔を埋めてうずくまる。
「桜」
「え?」
「冬休みが終わって春になったら、この木いっぱいに咲く桜を一緒に見たいですよね」
佐野くんが桜の木をそっと撫でながら言った。
「…そうね。見たいわ」
また、嘘をついてしまった。
…ううん、これは願望。春になってもこの世にいて、佐野くんと一緒に桜を見たい。
生きたい…。
「先輩」
呼ばれて隣を向くと、佐野くんが真剣な表情で私を真っ直ぐ見ていた。
「先輩のことが好きです。強いところとか一生懸命なところとか、全部好きです。僕と、付き合ってもらえませんか?」
「え…私…?」
「はい。僕はずっと、先輩が好きでした」
「…私、は…」
*
誰もいなくなった桜の木の下で、一人膝に顔を埋めてうずくまる。