アマノカワ
第二章 窓の外
「ねぇ、!やめて!!いやだ!」
全力で叫んだはずの私の声は、掌で跳ね返され数倍になって返ってくる。
それと同時に視界が歪んで、頭が真っ白になってしまう。
何度見た光景だろうか。
みえるのがお星様だったら良かったのになんて、思うことすら無くなったのはいつだったろうか。
何度も何度も繰り返し続けた疑問の先に浮かび上がるのは、毎回同じで単純な嫌悪と悲愴と虚無と…
それでも一つだけ楽しいことがあった。
それは毎日の日課で、学校へと向かう自分と同い年くらいの子供たちを眺めること。
楽しそうにおしゃべりをしながらあの校門に入っていく皆の様子を見るだけで、少しだけ落ち着いてしまう。
自分も同じように行けたらなんて思ってしまうけれど、そんなことを思ってはだめだ。
「私が、私だけが我慢すればいい。それで済むなら。」