アマノカワ
がやがやと騒がしい外の音に起こされ、私は窓を見上げる。
耳を澄ますともうすぐ始まるという戦に向けての準備と、それに混じって今日も町長を探す声が聞こえてきた。
もう今となってはどうでもいいことだが、私の家は町長一家だったのだ。
私はまた尋問の嵐にさらされるのが嫌で、裏口から皆がいる場所とは少し離れた天野川の下流へと向かった。
三月の初めだというのに、ちらほらと雪が降り始めている。
「はぁ…」
もうそれ以外に出てくる言葉もなかった。
あの日から私は、毎日こうして一日をやり過ごしている。
町の人からは両親を失ったかわいそうな子どもとしてご飯を分け与えてもらっているが、懐疑の目と中傷の口を向けてくる人々も多い。