アマノカワ

 次の日も外は騒がしく、また裏口から出て今日は川の上流の方へと向かってみる。

「太陽が見える」

 大きな雲の間から、ちらちらと光が覗く。
久しぶりの晴れだった。

晴れとはいえまだ寒さを感じながらも心はいつもよりも軽かった。

 川を覗いたり、スキップをしてみたりなんかもした。

小さな雑草は揺れ、色を取り戻し始めた木々はかさかさと音を鳴らす。

 心地が良かった。

 今日も一日中川岸にいて、なんなら寝てしまおうと仰向けのまま広すぎる星空を眺めていた。

 きらりと瞬くのはたった一つの北極星。

「次の夏は誰かとまた天の河みれるかな。」

 そんな期待を凍える夜の風にさらされてなお、眠ってしまったのは、あの時の君に冷え切った私を暖めてもらいたかったからなのかもしれない。
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