アマノカワ

「ごめん…まもれなくてごめん…楓」

 それに追加して

「顔変わりすぎだろ…誰かわかんなかったじゃねえか…」

 冷たく降る雪が俺の背中を責め立てる。

「大丈夫だよ…せっかく逢えたのにそんな顔しないで。響は変わってないんだね、泣き虫。」

 もうただ泣くしか無かった。

それ以外にできることも無くて、また崩れ落ちる。

「まだ私死んでない、まだ生きて響とずっと一緒にいるの。」

「俺だって、ずっと一緒にいたいよ」

 そう言ってもう一度止血の手を強める。

いつも綺麗に見える星空は、塵のように宇宙をふわふわと舞っていた。

「もう泣かないで。」

 冷たかった俺の体と心はそう言って暖められる。

籠る温もりと優しい声と柔らかい感情に包まれて。

 それに呼応して。

「泣いてるのは楓の方じゃないか」

 はじき返す。

 もう動くんじゃないとか、安静にしてろとかそんな言葉も沢山思い浮かんだ。

でも、そんな言葉は出てこなくて、ただ吐き出されたのは心の底から湧き出た本音。
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