お前の全てを奪いたい【完】
(……まただ。また、心臓が、騒がしい……)
カナのその笑顔に、俺の心臓はまたしても騒がしく音を立て始めていく。
(何なんだよ、これ。何でカナが笑うと、こんなにも心臓が騒がしくなるんだよ……?)
自分の事なのに原因が分からず困惑する中、当の本人はそんな事など知る由もなく、俺に対して信頼の眼差しを向けていた。
だからだろうか、カナには『芹』という偽りの名前じゃない本当の名前を知って欲しくて、
「……葉瀬 万里」
「え?」
「俺の本名。今後、店の外で会った時は、万里って呼べよ」
気付けば俺は、普段自分からは絶対に教える事のない本名を口にしていた。
「……万里……さん?」
教えられた名前を確認の為に呟くと、カナが俺の名前を口にした、たったそれだけの事に反応して嬉しさが込み上げる。
(何だろ、コイツに呼ばれただけで、名前がすげー特別なモンに思える……)
この何とも言えない感覚が何なのか分からないのに、不思議と嫌なものでは無かった。
「えっと、それじゃあ、私は笹垣 環奈なので、環奈って呼んでください」
そして、俺が本名を教えたからか、カナは迷うこと無く自身の本名を名乗り、俺に自分の事も本名で呼んで欲しいと言う。
「おいおい、そんな簡単に本名教えるなよ……」
「誰にでも教える訳じゃないですよ? 万里さんなら信用出来るから教えたんです。それに私だけ教えて貰うのは不公平じゃないですか。だから、いいんです」
まさかカナの本名を知れるとは思いもしなかったから嬉しい反面、環奈はやっぱり危機感が足りないと改めて再確認する。
そんなさなか、着信でもあったのか何なら慌ててバッグからスマホを取り出した環奈がそれを確認すると、その表情は一気に曇っていった。
カナのその笑顔に、俺の心臓はまたしても騒がしく音を立て始めていく。
(何なんだよ、これ。何でカナが笑うと、こんなにも心臓が騒がしくなるんだよ……?)
自分の事なのに原因が分からず困惑する中、当の本人はそんな事など知る由もなく、俺に対して信頼の眼差しを向けていた。
だからだろうか、カナには『芹』という偽りの名前じゃない本当の名前を知って欲しくて、
「……葉瀬 万里」
「え?」
「俺の本名。今後、店の外で会った時は、万里って呼べよ」
気付けば俺は、普段自分からは絶対に教える事のない本名を口にしていた。
「……万里……さん?」
教えられた名前を確認の為に呟くと、カナが俺の名前を口にした、たったそれだけの事に反応して嬉しさが込み上げる。
(何だろ、コイツに呼ばれただけで、名前がすげー特別なモンに思える……)
この何とも言えない感覚が何なのか分からないのに、不思議と嫌なものでは無かった。
「えっと、それじゃあ、私は笹垣 環奈なので、環奈って呼んでください」
そして、俺が本名を教えたからか、カナは迷うこと無く自身の本名を名乗り、俺に自分の事も本名で呼んで欲しいと言う。
「おいおい、そんな簡単に本名教えるなよ……」
「誰にでも教える訳じゃないですよ? 万里さんなら信用出来るから教えたんです。それに私だけ教えて貰うのは不公平じゃないですか。だから、いいんです」
まさかカナの本名を知れるとは思いもしなかったから嬉しい反面、環奈はやっぱり危機感が足りないと改めて再確認する。
そんなさなか、着信でもあったのか何なら慌ててバッグからスマホを取り出した環奈がそれを確認すると、その表情は一気に曇っていった。