お前の全てを奪いたい【完】
「……ん、……ッぁ、……」

 初めは互いに同じペースで求め合っていたものの俺の舌が口内に侵入した事で、あっという間に俺が主導権を握り、俺のペースで環奈を乱していく。

「……ッはぁ、……んっ」

 漏れ出る吐息と声にならない声を上げながら、環奈の身体は徐々に力を失っていく。

 そんな彼女の唇を突如離した俺に、

「……ばんり、……さんっ……?」

 切なそうな表情で首を傾げて見つめてくる環奈。

 それがまたもの凄く可愛くて、すぐにでも唇を奪ってやりたい衝動に駆られるのを我慢しつつ、

「え? き、きゃっ!?」

 彼女の身体を抱き上げた俺は、そのまま無言で寝室へと向かった。

 突然の事に驚いた環奈は俺の首に腕を回してしがみつくような形になっていて、それもまた可愛くて仕方がない。

 寝室に着くとすぐに環奈の身体をベッドの上に降ろして軽く唇に口付ける。

「服、脱いで」

 環奈にそう言葉を掛け、それにこくりと頷くのを見届けると、俺も自分の服を脱ぎ捨てる。

「…………っ」

 互いに下着のみを残した格好になり、恥ずかしがる環奈の身体に触れた俺は彼女の背に腕を回して、再び唇を塞いでいく。

 熱を帯びる肌、絡み合う舌、俺を煽る環奈の嬌声。

 何度触れ合ってキスをしても、抱き合っても、飽きるどころかもっと欲しいと俺の身体が環奈を求めている。

 口付けたまま優しくベッドに寝かせ、俺は右手で環奈の胸へと指を這わせていく。

「――ッん、んっ」

 唇を塞がれているせいで声を出せない環奈は突然の刺激に身体を反応させる。

 そんな彼女が可愛くて塞いでいた唇を離すと、ブラジャーを捲し上げ、露わになった胸の頂きに吸い付くように口付けていく。

「――ッぁ、やぁっ! んっ……」

 舌で何度も刺激してやると、気持ちいいのか余裕の無い声が聞こえてくる。

「……ばんり、さん……っ、やぁ……」
「本当に、嫌なのか?」

 恥ずかしいのか顔を真っ赤に染めながら嫌だと口にする環奈に、胸を攻め続けながら俺が意地悪な質問を投げ掛けると、

「……い、や……じゃ、ない……っ」

 首をふるふると横に振りながら、否定する。

 こういうところも、すげー可愛い。

「なら、いいだろ?」
「――ッ!!」

 その言葉と共により強く吸い上げて刺激を与えてやると、環奈の腰が浮き、胸だけで、軽く達したようだった。
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