お前の全てを奪いたい【完】
「芹ぃ、明日も来るから明日こそアフター、いいでしょ?」
「ああ、そうだな」
「本当にぃ? 約束だからねぇ? それじゃあ、また明日♡」
「待ってるよ。帰り道、気を付けてね真美」
ようやく閉店時間を迎え、最後の客である真美を見送った俺は彼女の姿が見えなくなった瞬間、盛大に溜め息を吐いた。
「はぁ……あー、マジで疲れる。ったく、演じるのも楽じゃねぇなぁ」
そう口にしながらポケットから煙草を取り出して一服してると、
「万里、そんなとこに居たのか」
「あー、礼さん。お疲れっす」
「お疲れ。つーか、さっさと着替えろよ。明石が待ってんだよ。早く来いって煩くてかなわねぇ」
「了解ー」
店から出て来たのはオーナー兼店長の日比谷 礼さん。
高級そうなグレーのスーツに身を包み黒髪短髪、インテリ眼鏡で一見IT企業の社長のようにも見えそうな感じだけど、実は極道の人間だ。
須藤組の若頭として沢山の部下を従えていて、普段は比較的温厚な性格だけど、怒ると物凄く怖い人。
今日はこれから二人で、【HEAVEN】というここから徒歩で十分程の所にあるキャバクラに行く事になってる。
【HEAVEN】と【repos】のオーナー同士が知り合いという事もあって、互いの店は売り上げ貢献という名目で、時折キャストたちが客として行き来しているのだ。
特に俺は礼さんと仲が良いから付き合いで行く回数が自然と増える。
キャバクラなんて興味無いけど、仕事の一環で、あっちも仕事と割り切ってるから相手をするのも楽だから良いけど、今日はもう帰って寝たいのが正直なところだった。
「ああ、そうだな」
「本当にぃ? 約束だからねぇ? それじゃあ、また明日♡」
「待ってるよ。帰り道、気を付けてね真美」
ようやく閉店時間を迎え、最後の客である真美を見送った俺は彼女の姿が見えなくなった瞬間、盛大に溜め息を吐いた。
「はぁ……あー、マジで疲れる。ったく、演じるのも楽じゃねぇなぁ」
そう口にしながらポケットから煙草を取り出して一服してると、
「万里、そんなとこに居たのか」
「あー、礼さん。お疲れっす」
「お疲れ。つーか、さっさと着替えろよ。明石が待ってんだよ。早く来いって煩くてかなわねぇ」
「了解ー」
店から出て来たのはオーナー兼店長の日比谷 礼さん。
高級そうなグレーのスーツに身を包み黒髪短髪、インテリ眼鏡で一見IT企業の社長のようにも見えそうな感じだけど、実は極道の人間だ。
須藤組の若頭として沢山の部下を従えていて、普段は比較的温厚な性格だけど、怒ると物凄く怖い人。
今日はこれから二人で、【HEAVEN】というここから徒歩で十分程の所にあるキャバクラに行く事になってる。
【HEAVEN】と【repos】のオーナー同士が知り合いという事もあって、互いの店は売り上げ貢献という名目で、時折キャストたちが客として行き来しているのだ。
特に俺は礼さんと仲が良いから付き合いで行く回数が自然と増える。
キャバクラなんて興味無いけど、仕事の一環で、あっちも仕事と割り切ってるから相手をするのも楽だから良いけど、今日はもう帰って寝たいのが正直なところだった。