初恋が叶わなった日
小学校の入学式の前日。
お父さんが交通事故にあったと会社から連絡が入った。お父さんが横断歩道を渡っていたら、赤信号なのに1台の車がそこに突っ込んで来た。
そして、病院に運ばれたが亡くなった。
死因は大量出血と頭部外傷だった。
お父さんが大好きだった。
『咲良、お前は学校に行かなくっても賢い。それに咲良は一人しかいない。だから、誰かに合わせなくっていいんだよ。お前はお前らしくしていればきっと友だちもできるから。』
入学式に行くのを怖がっていた私にお父さんはその言葉をくれた。
それが最後だった。
だから、入学式の日は嫌いだ。
外に出て、横断歩道を歩いている学生を見るとお父さんの姿を思い出してしまう。
あの日も新しい制服を着た学生がたくさん歩いていた。
『そうだね。お母さんに入学式に行かないと友達できないよって言われて。朱音がいるのにね。』
『そんなこと言われたんだ。咲良のお母さんはやっぱりしっかりしてるね。そうだよ、私がいるけどいつ居なくなるか分からないんだからね。』
そうだよね。