初恋が叶わなった日



高校一年生の季節が終わった。

友達は1人だけできた。


同じクラスの女の子。



名前は桜庭香織。

香織は誰に対しても優しい子で、頭も良かった。テストではいつも1番。それに肌が白くって可愛い。

だから、クラスのマドンナだった。

そんな私が、クラスのマドンナと仲良くしているのには訳がある。

それはクラス対抗バレーがあった時だった。

バレーボールなんてしたことが無い私は、壊滅的だった。

クラスの子達に迷惑をかけないように、毎日少しだけ体育館でバレーボールの練習をしていた。


そんな時に香織が声をかけてきた。

『ねぇ、鈴森さん。いつも放課後、体育館に行ってるけど何してるの?』

私はいつも通り、HRが終わってすぐに準備して体育館に行く準備をしていたところに香織が来た。

クラスのマドンナが私のとこに来るなんて思わなかった。

だから、すごく戸惑った。

『あ、えっと。今度のバレーボールの練習を少しだけ。』

『え、ひとりでしてるの?』

『あ、うん。同じチームの子に迷惑を掛けたくないから少しでも上手くなるために練習してたんだけど。』

『そうなんだ。それなら、一緒に練習しない?一人だけじゃ、つまらないでしょ?私も下手だからさぁ。ねぇ、お願い? 』

『いいですよ。 』

『やったぁー。じゃあ、体育館に行こう。』

それから香織と私は、クラス対抗があるまで一緒に放課後練習した。まさかと思った。なぜ、私に話しかけたんだろう。

その時は全然、そんなこと思わなかったけど、今になっては何故なんだろうと思った。

あの香織が私と仲良くなるなんて思わなかった。

バレーボールの練習が終わったら私たちの関係も終わると思った。だけど、それからもよく話すようになった。

香織とはよく、趣味や好きな食べ物がよくあった。


だからなのか、私はすごく話しやすかった。



朱音とは入学式の日から一学期まではずっと話していた。

だけど、二学期になってから朱音とは少ししか話していなかった。私がよく香織と話すようになったが、朱音もクラスで新しい友達ができたみたいだった。

だけど、朱音に好きな人が出来た時はメールで私に教えてくれた。そこだけは変わらなかった。


だけど、私には好きな人もできなかった。


朱音は二学期になって、好きな人じゃない人に告白されて3ヶ月は付き合っていたが、価値観が違うみたいですぐに別れた。


それに、好きな男の子には新しい彼女ができたみたいで朱音は落ち込んでいた。


夏休み、冬休みそして春休みが過ぎていた。



私は朱音や香織と一緒に遊びに行ったがほとんどは勉強していた。


朱音や香織には、彼氏がいたが私にはいなかった。


2人には好きな人とか気になる人とかが居ないのかと聞かれたけど、思い当たる人もいなかった。


好きとか恋とか私には無縁だとわかっていたから。


それに、全く恋愛に興味がなかった。


そして季節が過ぎ、新しい年が明けた。



< 6 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop