初恋が叶わなった日
高校2年生の春が来た。
春休みが明けて、いつも通りいつもの時間に家を出た。外はピンクの桜の花びらが散っていた。
綺麗だなぁと思いながら駅に向かった。
春休みが明けたばっかりで、いつも一緒に通っていた朱音も今日に限って遅刻。
だから、私はひとりで電車が来るのを待っていた。
駅のホームに座って待っていると同じ制服を着た男の子が来た。
いつもなら私と朱音ぐらいしかみたことがなかった。
男の子もいたんだ。
その男の子は私の隣の席に座ってきた。
『あの、同じ学校の子だよね?何年生? 』
その男の子はいきなり私に話しかけてきた。びっくりした。まさか、私に話しかけているなんて思わなかった。
『あ、私ですか? 』
『君しかいないじゃん、今。』
『ですよね。えっと、2年生です。』
『え、同じ学年じゃん。名前なんて言うの?』
男の子とは高校生になって1回も話したこと無かった。
だから、どう話したらいいのか分からなかった。
『鈴森咲良です。』
私はフルネームで伝えた。
『咲良ちゃんって言うんだ。俺は佐倉優希。よろしくね。 』