Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
次に目を開けた時にはもう、カーテンの隙間から眩い光が差し込んでいた。
今何時だろう?
随分寝ちゃってたみたい。
上半身を起こして、自分がクロードさんの部屋に寝ていることを知る。
そうだ、リビングから運んでもらったんだっけ。
しかも、私が着てるのは――
「これって……クロードさんのだ」
大きめのメンズTシャツをワンピースみたいに着ている自分に気づき、彼の香りに包み込まれるような心地に陶酔する。
続けて自動的に、昨夜のパーティー、それからその後の濃厚なやり取りまでを漏れなく思い出し、すぐに全身を羞恥で火照らせた。
――茉莉花、大丈夫。どんな君も美しい。全部見せてくれ。
うわぁあああ、す、すごいことをしてしまった……
赤いカオを隠すように布団の下にもぐり、ウギャーっとジタバタ悶え――しかし次の瞬間、フリーズする。
小説やマンガで得た乏しい知識しかないけど。
私たぶん、まだ処女だ。
痛みとか違和感とか、それらしいことを何も感じないもの。
そういえば、彼はずっとスーツを着たままだったっけ。
それって、私ばっかり気持ちよくしてもらっちゃったってこと?
えぇえ……それは、なんていうか……申し訳なかったな。
きっと、いきなり最後まではキツイだろう、って初心者の私に合わせてくれたんだろうけど……。