Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
え……そんなこと、あり得るだろうか。
彼女の息子が、クロードさんだなんて……
でも、あぁそうだ。
平成〇〇年8月――彼の誕生日とも合致する。
婚姻届に彼が書くのを見たから、間違いない。
え、待って。待って……それってどういうこと?
この女性は、お父さんの昔の彼女。
2人の間には赤ちゃんが生まれていて。
クロードさんが、本当に彼女とお父さんの息子、なのだとしたら?
それは、つまり。
まさか……
思い当たったひとつの結論に、さっきまでとは全く違うリズムで、心臓が狂ったように乱れ打つ。
「……っ」
写真を持つ手が、小刻みに震えた。
額に冷や汗がジワリと滲む。
荒い呼吸に、肩が上下する。
まさか。
まさか。
私と、クロードさんは………
異母兄妹、ってこと?