Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
3. 仲良し大作戦!
それから10日ほどが過ぎ、カレンダーは師走へ。
街もすっかりクリスマスムードに突入している。
「ふぁあああ」
大きなあくびをかみ殺しつつ、私はキッチンで朝食用の卵焼きを作っているところだ。
最近の寝不足、最大の理由は夢。
あの夢……
煙に巻かれて、窒息しそうになる夢。
15年前の事件の記憶。
香ちゃんたちとの女子会の後からまた見るようになり、夜中に飛び起きたりして、なかなかぐっすり眠れない日が続いてる。
もう随分時間が経つのに……未解決だってことが心のどこかでひっかかってるんだろうか。
犯人は今頃、どこで何をしてるんだろう。
罪の意識を、どれくらい感じているだろう。
お父さんを殺し、火までつけて――
フライパンの上で薄く広げた卵を手早く巻いていき、形を整えて、ちょっとホッとする。
偶然とはいえ、ありがたいことにこのマンションはオール電化。キッチンではIHを使用している。
これがガス調理だったら……炎にトラウマがある私は、ちょっと料理できなかっただろう。
前のアパートも、IHのところをわざわざ探したしな。
あぁそれにしても、眠い。
「ふぁあああ――」
ガチャ