人生のどん底から、絶頂へ。
「あ!!いたいた!結菜!」

校門の前で大きく手を振られて困惑する。
でも、少し嬉しい気もした。

「おはようございます、白翔先輩!」
「おう!おはよ!
急に手振ってごめんね?あのさ、、、、」

白翔先輩が何か言ったことに私は気づかず、勢いで口を開いてしまった。

「あ、あの!勉強教えてほしいです」

私が深く頭を下げると、白翔先輩の笑い声が聞こえてきた。

「全然いーよ!てか、そんな頭下げたりしないでよ!好きだし!」

好き?
勉強が?勉強を教えるのが?
私は理解ができなかった。

「多分さっき聞こえてなかったよね。
俺、結菜のこと好き!って言ったんだけど」

す、き、?
え、?えええええ?

ポカンとしていると、白翔先輩は
「好きだよ。結菜」
と、真剣な表情で私を見つめた。

「え、え、えっと、あの、」

「あはは、困っちゃうよね。ごめんごめん。
じゃ、今日の放課後図書室きてね」

胸がドキドキした。
でも、恋愛のために図書室に行くわけじゃない。勉強するためだ。
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