年下ヤンキーをなめちゃいけない理由
「ん……」
カーテンから漏れる光が眩しくて目を開ける。
朝、かぁ……。
___ふと、すぐそばに気配を感じてそちらを見るとそこには、とっても綺麗な顔がドアップでうつっていた。
「っ……!」
そうだ、私……流くんとお泊まりしてて……。
それを思い出した瞬間、昨日の夜に起こったことがどんどん蘇ってくる。
焦ったい手つきと、甘い声にキス___。
一瞬にして顔に身体中の血が集まってくるのを感じた。
わ、私……昨日、流くんと……
もう思い返すことすら恥ずかしくて、一旦起きてリビングに行こう、そう決断し、ベッドから起きあがろうとした時だった。
「えっ、わっ!」
ぐいっと手を引っ張られたかと思えば、あっという間に私は流くんの腕の中。
大きくてあたたかな体温が私をすっぽりと包み込んでいた。
「っ、お、おはよう……」
顔から湯気が出そうなくらい恥ずかしい気持ちを我慢してそう言えば、流くんはかすかに笑って、
「はよーございます」
そう返してくれた。
で、でも流石に……。
「あ、あの……」
「ん?」
「この体勢……」
この体勢は、恥ずかしすぎるよ……!
しかも、まだ朝だし……っ!
「もうちょっとだけ」
なんで同じベッドで寝てるの、とか、昨日のこととか。いろんなことがごちゃごちゃになってうまく整理ができずにいると、流くんは私を抱きしめたまま、再び寝息を立て始めた。
えっ、えぇ……!?
二度寝……!?
なんだかほどくのも申し訳ないしな、なんてそんなことを思う以前に、ガッチリとホールドされていて、抜け出すことは不可能そう……。
し、仕方ないか……。
大好きな流くんの匂いと幸福感に包まれながら、再び襲ってきた睡魔に従うことにした___。