年下ヤンキーをなめちゃいけない理由








一気にまた、涙が溢れた。

そうだ、そうなんだ。




___流くんも不安な気持ちは一緒なんだ。




「うん……、うんっ……!」



今ある限りの力を振り絞って、流くんを抱きしめる腕に力を込めると、流くんも優しく抱きしめ返してくれた。






「流くん」


「ん?」





知ってるよ。



___寂しいとは言わないけれど、本当は寂しがってること。


私のことが大好きで大好きでたまらないって、そんな気持ちなのも。


引っ越したら、1週間も経たないうちに会いに行ってやろうって思ってるのも。




きっと私たちは、考えていることが一緒だから。








私は、きょとんとする流くんの唇に、自らの唇を静かに重ねた___。












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