夫に私を殺させる方法
「大丈夫ですよ。」

――全く大丈夫ではない!!


「ダメだ。」
「早くしないと。」


 私と妻が小さく応酬し合っていると、妻の後ろの人が追い付いてきた。

「あっ……。ダメ、ですね。」
 妻が諦めた様子に、私は小さく息をついた。

――いやはや、とんでもない妻である。


※※※※


――仕方がない。

 どうやら、夫は、思い切ることができないようです。ここは、私が覚悟を見せるしかないでしょう。


 当初の予定では、夫が私を殺害するのに委ねれば良いだけと思っていましたが、夫にできないのであれば、私が助力するしかありません。
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