夫に私を殺させる方法
私は既に親を亡くし天涯孤独の身でしたから、結婚式などは行いませんでした。今思えば、そのような身辺事情も全て調査の上で、私がターゲットに選ばれたのでしょう。
結婚生活は、私が両親から相続していた自宅に、彼が引越してくる形で始まりました。
向かいの伊藤さん家に結婚の挨拶に行ったときは、何故かとても驚いた顔をされていたので、私のような平凡な女性が、彼のような超絶美形の外国人と結婚することになったことに驚いていたのかもしれません。それとも、彼のかなり変わったファッションのせいでしょうか。
その後は、少々変わった結婚生活だったかもしれませんが、他の人と結婚した経験があるわけではありませんから、比較の対象もありません。
一年後には娘にも恵まれ、幸せな日々を送ってきたと思います。
とはいえ、夫と私の関係が普通と違う自覚はありましたから、夫と知らない男の会話を聞いたときも、驚きよりも納得する気持ちの方が大きかったのです。