学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。
何で私がこんな目に?
「及川さーん、ちょっといい?」


休み時間。自分の席で本を読んでいる私の前に、同じクラスの莉奈ちゃんがやってきた。


彼女の友達の女子3人もくっついたようにやって来て、私の顔を見るなりクスクス笑い出す。


ああ、今日もか……。一体何を要求されるんだろう?


「課題見せて」?

「シャーペンの芯貸して」?


前回、課題を渡したら、いつまでたっても写さないから、提出ギリギリまで戻ってこなくて。


前々回は、シャーペンの芯を貸したら、ケースの中身を空っぽにされて投げ返された。


その前は――、たくさんあり過ぎてあまり思い出したくない。


莉奈ちゃんの言うことを聞いては散々な目にあっているから、正直もう従いたくないのに……当の本人は、こんな私の気持ちなんてつゆ知らず。


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