学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。
遠くから、運動部のかけ声やブラスバンドの演奏、にぎやかなはしゃぎ声が聞こえてくる。


その声に聞き覚えがあって、廊下の窓から外をのぞいてみると、案の定私以外のフィールドワークの班のメンバー4人が、楽しそうに校門をくぐっていく姿が見えた。


どんな会話をしているのかはわからないけど、彼女たちが歩いているのは、ゲームセンターやショッピングモールが建ち並ぶ大通りがある方向。


あの子たちが言ってた『外せない予定』って、遊びに行くことだったのかな……?


うすうす予想はついていたけど、顔を見合わせて笑っている4人を見ていられなくて、私は再び廊下を歩き出した。


それにしても、クラス全員分のノートは重い。


職員室までの道のりが、果てしなく長く感じてしまう。


うう、もう無理。もう限界……。


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