学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。
「それ、ちょっと貸して」


私の両手がぷるぷると小刻みにふるえ始めたその時、急に頭の上から低い声が降ってきた。


瞬間。横から大きな手が伸びてきて、両手にずっしりとくる大量のノートをごっそり半分以上持っていく。


「大丈夫?」

「あっ、はい……」


量が減って軽くなったノートの束におどろきながらもうなずいて、声が聞こえた方へ顔を向けたとたん、私は思わず目を見開いた。


「……氷高くん?」


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