学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。
「お、及川柚月です……」


私はもじもじしながら自分のフルネームを口にした。


自己紹介はいつもこうだけど、端正な顔立ちの氷高くんにじっと見つめられているせいか、過去一緊張してしまう。


「わかった。じゃあ、及川。このノート、職員室に持って行けばいいの?」

「あ、はい。……って、えっ⁉」


私がうなずいた瞬間、氷高くんは軽々とノートを抱えて、颯爽と廊下を歩き出した。


ど、どうしよう……。


今のはうっかり話の流れで返事をしてしまっただけなのに……。


「まっ、待ってください!」


< 13 / 36 >

この作品をシェア

pagetop