学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。
『今すぐに』?


そんなの、いきなり言われても困るよ。


こんな量を一人で終わらせるなんて絶対に無理だし、これから氷高くんとの約束で、図書室に行かなきゃいけない。


今回は、先に決まっていた自分の用事を優先しよう。


「莉奈ちゃん、あの……」

「とにかく! 今日中に全部作っといて。明日、できてなかったら容赦しないから。わかった⁉」


私が話す前に、莉奈ちゃんは早口でまくし立てると、いつもの3人と一緒に教室を出て行ってしまった。


半分ダメ元だったけど、やっぱり聞いてくれなかったな……。


気が付けば、教室に残っているのは私だけ。


ぽつんと一人で立ち尽くしていると、廊下からクスクス笑う声が耳に入り込んでくる。


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