学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。
『ふざけないでよ、バッカじゃないの? わたしがこんな冴えない陰キャと友達だった過去なんてないから!』


感情にまかせて爆発する莉奈ちゃんを見たその瞬間。


私の中で大切にしていた彼女との小学生時代の思い出が、真っ黒なペンキで塗りつぶされていく想像がはっきりと目に浮かんだ。


――いつも一緒だった私たちの2年間は何だったんだろう?

――お互いを親友だと思っていたのは私だけ?

――私たちの思い出って、ここまで必死になって否定されなきゃいけないこと?


全部、莉奈ちゃん本人に直接聞きたかった。


でも、聞けなかった。


これ以上何かを言えば火に油だとわかっていたし、少なからず罪悪感を覚えていたから。


フィールドワークの班決めに水を差したのも私。


からかいとはいえ、莉奈ちゃんが友達に笑われるきっかけを作ったのも私。


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