学年1モテるクール男子は地味子ちゃんを助けたい。
「あのっ、ちょっといいかな……?」


私は引きつった顔で無理やり笑顔を作って、莉奈ちゃんに下手に出てお願いした。


「この計画書、さすがに私一人だけじゃ、締め切りに間に合わないと思うんだ。先生もそれをわかってて、『計画書は班のみんなで協力して書いて』って言ってたし。できればほんの少しでいいから、時間を見つけて手伝って欲しいんだけど……」

「は? 人の話聞いてた?」


お願いは逆効果。莉奈ちゃんは冷たい目で私を睨むなり一蹴した。


「わたしたち4人全員予定があるからできないって言ってんの。だったら、最初からそんなお願いしないでくれる?」

「そうだよ! あたしらは、あんたとちがって忙しいの!」

「絶対に外せない予定なんだからしょうがないじゃん!」

「ていうか、一人で本を読む時間を、計画書を書く時間に回せばいいだけの話でしょ」


取り巻きたちも応戦するかのように、大声で私に噛みついてくる。


教室の空気がざわざわ騒がしくなってきた。


同じクラスの人たちが、好奇や困惑の入り混じった目で私たちのことをちらちら見てくるけれど、誰も巻き込まれたくないのか、間に割って入ったり、庇ってくれる人は誰もいない。


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