総長様は恋の反抗期真っただ中

 ただ最近は、朝都から離れてあげなきゃと思っている。

 彼の未来を縛りつけていいはずがないと、痛感している。



 というのも、数日前に聞いてしまったの。

 終業式を終え教室に向かう、オラオラ感あふれるワイルド男子たちの会話を。



 『朝都総長、彼女ができたらしいぞ』


 『マジで? 女嫌いだから、一生彼女作らないって聞いたことあるけど。相手誰? 副会長?』


 『総長って女子だと椿先輩にしか話しかけないし、俺も椿先輩かと思ったんだけど。違うって。俺らと同じ高2だって聞いた』


 『だれだれ?』


 『そこまではわからん。たださ、男だったら本能的に守ってあげたくなる美少女だって』


 『朝都総長は学園一のイケメンだし、隣に立つのが美少女じゃないとつり合い取れないよな』


 『俺らのチームに、初の姫が誕生するかもってことだろ?』


 『美少女の姫ならウエルカムだな』


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